ため息のマイナーコード

チャラ男はどんどんグイグイ来て、結局なし崩し的にセックスしちゃうんです。なにが最高って、声を気にして無口になってるところ手を繋いでるところを見られてきゃーってなってるところ。しかし、欲張りなマゾの業というものは恐ろしいもので、行き着く果ては相手に自分へ一片の情け無く、ただただ嫌悪しながらマゾの快楽を与えて欲しいと思ってしまうのです。

エロと陵辱を両方楽しめる作品です。不気味な怪物と女体と丁寧に描かれた触手が組み合わさって大変素晴らしいクオリティです。複数の年上女性によってたかって弄ばれたい、という願望を持つ読者ならば、完全に充たされる作品でしょう。ヒロインの台詞も、軽口から激しめな嬌声まで、たっくさん堪能できるので普段の人となりもわかります。

ブルーも一度は思いとどまり、耐えるところが良かった。性的な絶頂であると同時に彼の人生自体のフィニッシュであるという実感があってシコいですね……読み手にまで伝わるようなムチムチボディから放たれるむわっとした熱気。何か物足りない。衆人環視で多くの目がある中での羞恥が魅力的です。

この緩急が絶妙で、行為に入ったらすぐ気持ち良くなって豹変して「クールさはどこへ？」みたいな作品もある中で、ヒロインの冷徹さというか無気力さみたいなものを残しながら、上手いこと感じている様を表現しており、見事だと思いました。ふたなり女性に男性のお尻が犯される作品はそれなりにあります。